2010年06月02日

埋もれる土器

こぐまの尻尾 さそりの心臓
勇者のつま先 女王の首筋
ぽっと灯る輝き
流れを手の平に受け止めて
掬い上げては もう一方の手の平を合わせて
まぶたを閉じれば 簡単にできること
いまぼくが掬い上げるものは
指と指の間をさらさらと流れ落ちるばかり
まぶたを開ければ 見えるのは砂の山
だれかが捏ねた(どうやって)
土器があたりに転がっている

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2010年05月31日

工房より

刻み、刻んで
ぼくの彫刻刃の刃先だけが知る
吹けば飛ぶほどの削り屑を重ねて掘り当てるのだから
どうかそよ風だけを
木の葉のささやき声が混じった
そよ風だけをお届けください
金気の混じった風はいりません
他の彫刻刃はいりません
ぼくの彫刻刃の刃先がギラリ
えぐります

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2010年05月29日

鏡の中に

ぼくの鏡には“ある女”が棲んでいる。ぼくの顔を横切ったり、二重写しになったり。たまにしゃしゃり出ることもあるが、大抵は気配を感じさせるだけである。ぼくに醸すものがあるとしたならば、その周辺にあるのかもしれない。

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2010年05月26日

とんとん

とんとんとんとん きゃべつをせんぎり
とんとんとんとん きゃべつをみじんぎり
とんとんとんとん もっともっと
なにをきってた
とんとんとんとん
あおいひかり あかいひかり みどりのひかり
まっしろになったところを えぃ
とんとんとんとん きゃべつのせんぎり
たべちゃった

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2010年05月24日

深海魚

剥がれては浮かび剥がれては浮かび
温もらすもの凍えさすもの
愛おしむもの脅かすもの
解すもの強張らせるもの
満たすもの空けるもの
治めるもの乱すもの
みんな
みんなさようなら
さようなら
残されてゆっくり沈む
三千尋の深層水
深海魚のゆりかごは
透き通る透き通る

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2010年05月22日

ぎやまん水色徳利

熱く乾いた大地が瞬く間に吸い込んで
巻き起こる風がほてりを奪う
涼しげな顔してついっと佇む
きみのそそぐ一滴一滴は
きっとぼくを桃源郷に連れてゆく

posted by はまべせいや at 04:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ”きみ”とのちいさなものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月19日

青い光

お父さんお母さんにはあれが見えないのだろうか。毎晩窓の外から窺っている目の光。瞬きもせずに青い光を発してじっと見ている。あれはケルベロス。隙あらば、きっとぼくらを一飲みにしようとしているに違いない。だからぼくはずっと見張りをしているんだ。
やっと小太郎が寝てくれたわ。じっとあの星を睨んでなかなか寝ないのだもの。もしかしたら私と同じ霊力があるのかもしれないわ。あの星の霊力を受けて私は生きている。たった一人でお祈りをしながら霊力を受けないとすべてが壊れてしまうのだわ。それなのに主人ときたら。
また二人ともしょうがない。またソファで寝てしまって。工場の光を怖がったり有難がったり。小太郎をベッドに運んでいくのはともかく、さすがに妻は。寝かしたまま運ぶのは往生だし、起こしてもそのまま毛布を掛けてやっても不機嫌だ。それにしても、工場の夜景もまんざらでもないな。特にあの青い光は。

街の裏小路の古道具屋に入ったのまでは確かに覚えていた。古道具屋のおやじが箱をぶちまけて何やら青く光るものを摘み上げて。すうっと吸い込まれるようにして・・・。気が付いたら公園の芝生に寝ころんで。いつもの休日の午後だった。

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2010年05月17日

ゆらり

ひりり ひりり やみが  からだが
きりり きりり からだが こころが
ほろり ほろり こころが やみが
くらやみの記憶 こんにちは
はりつめて じっとこらして 芯になる記憶

ゆらり ゆらり ひかりが からだが
ほわり ほわり からだが こころが
ふわり ふわり こころが ひかりが
ひだまりの記憶 こんにちは
ただよって ちりぢりになって 手放してゆく記憶

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2010年05月15日

感傷

生活するということは生きるということを消費して成り立っている。私が妻に対して恨み言めいたことを言うとしたら、煎じ詰めたところこの点に尽きる。だがそれを感傷と言われれば、反論の余地はない。さて、“私”を“男”に、“妻”を“女”に、置き換えられるだろうか。

posted by はまべせいや at 04:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 「K氏」をたどる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月12日

むすんでひらいて

むすんでひらいて手をうってむすんでまたひらいて手をうってその手を上に
むすんでひらいて手をうってむすんで

まず先生が歌いながら手をむすんだりひらいたり、手をうったりしてお手本を見せてくれた。ぼくは、先生が手を上に上げたところでくしゃみをした。みんなで“むすんでひらいて”が始まった。ぼくも“むすんでひらいて”。ところが手を上に上げたところで、衝動に駆られて走り出した。先生に席に着かされて、“むすんでひらいて”のやり直し。ところが手を上に上げたところで、再び衝動に駆られた。しばらく後、ぼくは教室の外でぼんやりと滲む青空を眺めていた。

posted by はまべせいや at 04:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 黒の部屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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