2010年07月20日

グラスいっぱいのお話

グラスいっぱいにクラッシュアイス
ちゃりんしゃりん ちゃりんしゃりん
あれだけみんなお話したのに
しまいに無口になっちゃって
空っぽのグラスが残るだけ

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2010年07月17日

秩序の力

丸も四角も三角もあわせて。たくさんの図形の角の数の平均を出したら、たとえば3.27だったとか。それでなにが見えるか、見えなくなるか。その3.27という数字でなにもかもが見えたと勘違いさせる。それが秩序を保つ力だ。

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2010年07月15日

息泥棒

息泥棒というのがいるらしい。

たとえば。
ちょっとした出来事で呼吸を忘れてしまう。
乾いた唇と唇の間からふっと息が吹き出して我に返り。
その後目頭が熱くなったというような。
そんなときの息は高級品。

けれども。
会話に伴う息でも。
黙って活動しているときの息でも。
ため息でも、寝息でも。
どんな息でもかっさらって行くという。

息泥棒はかっさらった息をこねて、なにかをこしらえているらしい。
こしらえたものを適宜使っているともいないとも。
いったいどのように使うのか。
いったいなにを企んでいるか。
現在調査中。

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2010年07月11日

魔物

気配もしないし、匂いもない。だけどあいつは突然ぬっと現れる。がっしりとしたあの前足が突然飛んできて、一撃食らったら大変そうだ。指先には爪が隠されているのが分かる。その爪で何度も掻かれたら次第にこちらの動きが鈍くなるだろう。長く伸びた鋭い牙で、一瞬の隙を突いて首筋にでもこられたらたまらない。それとも爪で引っ掛けて、あのがっしりとした前足で組み敷いて、咽喉笛にがぶりだろうか。いつもあいつの影におびえてびくびくしている。この俺だって案外他の動物からは恐れられているのに。

水のみ場に浮浪狼が一頭。一瞬体が硬直した後、おそるおそる水を飲み始めた。

それにしても、どうしてこいつはいつも恭順のまなざしを送るのだろう。

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2010年07月09日

厚顔な目

現実をあるがままに受け容れるとはどういうことか。それは現実に矛盾や不条理が含まれるというのではなく、現実そのものが矛盾であり不条理であるという認識・態度を持ち続けることではないか。それは簡単なようでいて、社会に生きる人間としては難しい。義憤に駆られて怒っている人々の脇に立ち、涼しい顔をして目の前のことに没頭したり、歓喜に沸き立ち踊り騒いでいる脇で、心ここにあらずという体で佇んだり。そうした行動をすることによって人々から受ける視線を、どこ吹く風と受け流せなければとてもできないのだから。

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2010年07月08日

黒いしみ

目覚めたものの、なんとなく体が重かった。布団の上に再び横たわると、大の字になってまぶたを閉じた。重いまぶたを再度こじ開けたときには、天井のしみがはっきりと見分けられるほど明るくなっていた。スタンドの明かりを頼りに、眠れぬ夜に視線でなぞった見慣れた天井のしみ。その一点に見慣れない真っ黒なしみができていた。そう思ったらそのしみが天井を動き始めた。そして考える間もなくそのしみがこちらに向かって落ちてきた。手で払いのけようとすると、まるであざ笑うかのようにまた天井めがけて帰っていった。ぶぅぅんという音を残して。そうか蝿か。いつの間にか蝿が部屋に入り込んでいたのか。
それにしても重い。まぶたも、頭も、手足も。蝿を払いのけようとして顔を背けて空振りをして、そのままの形で眠っていたようだった。次に目を開けたときは西日が部屋に射していた。オレンジ色に染められた天井に、黒々とあの蝿がまだ止まっていた。えぃ、なんだあいつは。人をあざ笑うみたいに。癇癪を起こして叩いてやろうと立ち上がろうとした、ところが体を支えようとした腕がガクリときてそのまま布団に倒れこんだ。相も変わらず体は重いのだが癇癪を起こしたおかげでどうやら意識が高ぶって目はさえてきた。とは言え夢か現か分からぬ感覚で、手足は相変わらず重いまま。
―ずっと蝿を眺めていた。奴はあれ以来一度も飛ぶことはなく、天井をひとしきり這いずり回ったと思ったら、ずっと動きを止めて。羽をもぞもぞ動かしたり、手足で顔を洗うようなそぶりをしたり。それを眺める以外には、思考も手足も働かなかった。夜の間は目がさえて蝿を眺め、明け方になるとまぶたが重くなり、天井がオレンジ色に染められるころになって目が覚めた。
蝿を眺める夜を何度過ごしたか、外が白み始めてきた。今日は何日だっけ。やっとそんなことに頭が回るようになってきた。枕元のラジオの電源をオンにする。音楽の後にDJの声が入った「今年は空梅雨で、昨夜の七夕も・・・」。そうかするともう8日になるのか・・・8日といえば、なにかあったような・・・。あっ思い出した。彼が帰省する日だ。預かっていた彼のアルバイト代を渡さなければ。
耳の中がもぞもぞした。ぶぅぅんという音。真っ黒な蝿が窓から飛び出していった。唖然として蝿が消えていった窓の方角を凝視していた。そのぼくの耳に入ったのは、「おはようございます。7月5日月曜日午前6時のニュースの時間です。」というラジオからの声。

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2010年07月05日

満ちるとき

丸めた銀紙を広げたような
海がゆるゆると揺れている
ちゃぷりちゃぷり
足元の岩に寄せては返し
吹く風は肌になじんで
なつなつと
いつから いつまで
そんな問いをどこか遠くへ吹き流す
この ときを
手の平に撫でながら
やんわりと受け止める
あっ、微熱
じんわりと潮が満ち
潮溜まりから ぽろり
鎖骨には水滴が

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2010年07月01日

登りつめた言葉

「頂まで登りつめた言葉」とはどういう言葉だろう。ぼくは今までにそうした言葉に出会ったという実感がない。ということはそうした言葉はこの世にないのかもしれないし、ぼくのものぐさゆえに出会っていないのかもしれない。あるいはぼくの無知ゆえに出会っても気付いていないのか。
ふと懐かしい香りがして心が揺さぶられた。いつまでも心に留めておきたい香り。だけどその香りが何の香りか説明できない。
どれだけの血を吸ってきたのだろうか。静かに妖しく光る日本刀の光。さっと切り付けられるというのでなく、胸に押し当てられるという感覚。
そうしたような作用をぼくにもたらした言葉というのには出会った記憶はある。もしかしたら、そうした作用をもたらした言葉が「頂まで登りつめた言葉」なのかも知れない。

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2010年06月30日

徹夜麻雀後始末

まったく。やってられやしない。そもそもあそこで上がっておけばよかったんだ。安いからと思って当りを見逃したのが運のつき。次の局で一発逆転の倍満を聴牌って、意気揚々と三枚目の風牌を切ったらつまらない七対子なんかに当てちゃって。次の半荘は焼き鳥の大負け食らって。さて帰ろうかと思って案の定雨が降っていたまでは仕方がないが、大風で傘の骨が折れてずぶ濡れになって部屋にたどり着いて。震える身体を拭いてなんとか眠りに入ったと思ったら、「あんたが野良猫を飼ってたんだね。」大家が怒鳴り込んできた。「そんなの知らない。別の部屋でえさをやってた猫だ。一度だけ夜戸口のところであんまりうるさく鳴くから部屋に入れたやっただけだ。」いくらそう説明しても頑として聞かず、延々一時間も説教された。やっと熟睡して、目が覚めたらもう暮だ。やれやれ、今日も太陽を見なかった。
―講義日程はスカスカだし卒論の実験は終わったし。「小人閑居して」とはよく言ったもんだ―
今夜は麻雀の誘いが来る前にどこかで憂さ晴らしに一杯飲もう。そう思って外に出た。

安酒場でちょいと引っ掛けて。そこそこいい気分になったけど。でもまだ帰るには早い。麻雀の面子集めの佳境の時間だ。少し遠回りして帰ろうか。そう思っていつもと違う道をぶらぶらと歩いていた。川沿いまで来ると何軒かプレハブ小屋が並んでいて、それぞれ酒の看板を出していた。そのプレハブ小屋とプレハブ小屋の隙間に、どうやって建てつけたのか木造りの扉があった。プレハブ小屋の酒場の並びで気安い感じがしたのと、その重そうな扉に引かれたのとで、一杯加減も手伝って考える前に扉を開けていた。

酒場かなと思って入ったのだが、ずいぶん様子が変わっていた。小さな椅子が向かい合って置いてあるのが影の形でなんとなく分かる。他には何もない。なぁんだと思って引き返そうとしたら「せっかく来たのに帰るというのかい。」と暗がりの奥からしゃがれ声。よく見るとと老人が立っていた。老人は向かい合わせの椅子の一方に座ると「せっかくじゃから座っていきなさい。わしにはきみのすべてが見えるんじゃ。」もう一度言葉を繰り返してもう片方の椅子を指した。こんな爺さんと話したってしょうがないじゃないかと思ったが、『ぼくのすべてが見える』だなんて、おかしなことを言う爺さんだと思って少し気になった。ぼくが椅子に座ると爺さんはこう言った。「きみがわしと出会ったのは、運命じゃろうか。宿命じゃろうか。」
―何を言ってるんだ。この爺さん。運命だとか宿命だとか。面倒なことに巻き込まれなければいいけど。まあこんなところに来てしまったのは運と言っていいのかな。でも運命なんてほどのことでもないよな。もっともこの爺さんが何やらとんでもないことを仕掛けてきて、後々に影響すれば運命かもしれないけど。でも運命と宿命とはどう違うのかな。―
「偶然ここに来たけどそれは何かの巡り合わせで、運命というほどのことではないさ。偶然ということなら考えられるけど、あらかじめ自分の行く末が決められているということが運命だとしたらそんな運命なんて信じないよ。だからあんたに出会ったのは運命ではないさ。それに宿命ってのはなんだい。単に運命という言葉を置き換えただけかい。そんなことも知ったこっちゃないさ。」ぼくはこう言った。

「ほほほ、さすがにお若いだけあって元気じゃな。」老人は懐から透明な玉を取り出した。よく占い師が使う水晶玉のようなものだが手のひらにすっぽりと納まるくらいの小さな玉だ。「ほれっここに。この玉にきみのすべてが映るのじゃ。きみは運命を信じないと言った。なかなか勇ましいな。じゃからこの玉はこうしよう。」そう言うと老人は玉を天井めがけて放り投げた。と思ったら天井にぶつかる気配もなくそのまま消えてしまった。

夜風が頬を撫でていた。遠くの街頭が薄明るく照らし、爺さんもろとも辺りの建物は消えていた。夜空の一点を凝視して、ぼくは河原の石にぽつねんと腰かけていた。
どこか遠くで声がした「きみは必ずあの玉に出会う。その意味をよく考えることじゃ。運命に翻弄されるか、運命と決別するか、さてきみはどちらを選ぶじゃろうかね。」

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2010年06月28日

流れ

ほんとうに行きたいのは どこ
どこに見る どこに聞く
計算ではみつけられない
やっと分かった
引っ張っていたつもり
ぷつり どこの音
失速
押されていたのか
流れが
呑み込めるもの 呑み込めないもの
それはなに
どこかでじんわり 雫が滴る

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