2005年11月28日

鎌鼬(かまいたち)

北風が身にしみる季節になってきた。
びゅ〜っと風が吹き付けるとまるで身を切るような寒さ。
建物にあたった風が特有の気流をつくっているのだろう、
ちりを巻き上げてミニ竜巻を起こしているのを見るとさらに寒さが増す。

かまいたちは瞬間的な突風が人の皮膚をかすめたとき、
真空状態ができてそのために皮膚を切り裂く現象だと科学で説明されている。
それはそれで事実なのだろうけど面白みに欠ける。
三人(匹?)組の妖怪がかまいたちを起こしているという話が私は好きである。
一人目が人を突き飛ばし、二人目が人に切り付け、三人目が傷口に薬を塗って、
すばやく通り過ぎていくという話である。
私は驚きや不思議、不条理に感じたことなどを、
人の知るところを超えた妖怪に原因を求めるという人々の思いが好きである。
おどろおどろしいなかにどこかユーモラスなところを感じる妖怪。
妖怪には人々の素朴な問いかけがある。

やっ。風も吹いていないのに家がゆれているぞ。柱もみしみしいい出した。
きっと”家鳴り”が家をゆらしているに違いない。
台所の隅で濡れたまま放っておかれている布切れは、
そのうち”白うねり”になって臭いを放って人に絡みついてくるぞ。
夕げの準備に取り掛かろうとすると必ず現われて玄関に座り込むあいつ。
人に迷惑をかけるのが大好きな”ぬらりひょん”に違いない。
などなど。
身の回りにはきっと妖怪がいるに違いない。

宮沢賢治の「座敷ぼっこ」の話風に。
こんな妖怪はどうだろう?

次々とたまっていく仕事に追われて、焦りと苛立ちを感じながらふと窓の外を見る。
するときれいな夕日がオレンジ色の暖かな腕を伸ばして肩に手をかけた。
一つ深呼吸をすると焦りと苛立ちが嘘のように消えて、パズルのように仕事を楽しみだした。
そんなとき、そこにいるのが”いみじ”です。
なんとなく部屋で横になっていて、ふと床に埃や小さなゴミが落ちているのに気がついた。
少しずつそれを集めて掃除しているうちに、床磨きまで始めてしまった。
きれいになった床の上で、幸福感に浸りながら横になった。
そんなとき、そこにいるのが”いみじ”です。
何気ない普段の会話の中でふと沈黙が流れた。
その後お互いに「ありがとう」と口をつき、笑い出してしまった。
そんなとき、そこにいるのが”いみじ”です。
posted by はまべせいや at 17:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 季語に思う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
せいやさん、朝 早いから 尚更寒いですよね。
起きてすぐ Milkが外に 出せ出せいうので
ベランダの窓を 開けてあげるんですけど
外の空気が キ〜ン。
こりゃ つらいやな・・。
と、他人事のように思いました(笑)

”いみじ”って せいやさんが見つけた妖怪ですか?
もともといる妖怪なのかな・・?
・・素晴らしい・・?
こんな妖怪が いつもそばにいてくれたらいいな。^^

Posted by うさこ at 2005年11月29日 11:13
ねこはこたつでまるくなる♪っていうのが相場だと思っていたけど、
今ぐらいの寒さはMilkにとっては関係ないんですね。

”いみじ”はきっとすぐ近くに隠れているんだろうなあ。
たぶん翡翠の隣あたりに。
Posted by せいや at 2005年11月29日 17:07
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