2011年07月29日

穴ぐらの

棚から落ちた保存箱を乗り越えて
林立する傾いた棚の下をくぐり抜けて
ひとつひとつ
邪魔な保存箱を取り出して
奥の方から、少しずつ少しずつ
棚を立て直してゆく
窓からの頼りない光だけを頼りに
(まるで、穴ぐら)
保存箱をもとの棚に戻してゆく
停電したオフィスでできることと言えば、これくらいのこと

ザリガニ捕りにすっかり飽いた夕べ
ありの巣に棒を突っ込んで、穿り返して
続々と出てくるありの群れにザリガニのバケツをひっくり返した
「津波の発生、エビラの襲来だあ」
とは、
“だれ”の言葉

息を止め、二の腕を血潮で膨らまし、脚の筋肉を伸ばす
ふぅっと息を吹き、額を拭う
そのたびにかつての保存棚の姿を取り戻してゆく
繰り返し、繰り返し、ただ定められたことのように
そう、
あの日のありは、そういうことだったのか
と、
なぜか高笑い



posted by はまべせいや at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 青の部屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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