2010年01月11日

砂の謡

大河のほとりで飽きもしないで
一握りすくってはもう片方の平で受け止めて
こぼれ落ちる砂の謡に耳をたむける

一粒の種子を芽生えさせて
茎を伸ばして葉を茂らせて
千の種子を実らせた
そうして実らせた種子は数知れず
多くの人々を養い街は栄えた
かつて大地と呼ばれていたころの物語

やがて一粒の種子から実るのは
百に減り十に減り
多くの人々が飢えてさ迷い去ってゆき
町並みは砂に埋もれていった
今でははぐれた旅人が来るばかり
辺境の砂漠と呼ばれるまでの物語

大地と呼ばれる力を失った砂の謡
大河のほとりの月の光のように
曇りなく包み込み染み透り
むしろ旅人を
たどり着いたという気持にさせるのだった

posted by はまべせいや at 04:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 疑問のウラガワ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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