2009年12月29日

呪いの時間

砂漠をさ迷っていた。隊商からはぐれてただ一人途方にくれながら歩いていた。容赦ない日差しを何と避けられないかと思っていたら、なんと突然日陰に覆われた。ありがたいと思ったのも束の間。頭の真上から声がとどろいた。「朝は四つ足、昼は二本足、夕は三本足。それはなんだ。答えられなければ一思いに飲み込んでやる。」ぼくは震えながらも何とか声を振り絞った。「それは人間だ。」するとその大きなライオンの化け物は言った。「愚か者め。一思いに飲み込まれればよかったものを。おまえは『部分のようでいて全体であり、全体のようでいて、部分である』そういうようなものが答えとなるような謎を千個つくるのだ。それまでは『アキレスと亀』の時間に閉じ込められているがよい。」
目が覚めた。のどはからから。四肢と言わず、身体全体疲労困憊。寝汗をびっしょりかいて。化け物に逢ったのがとても夢とは思えなかった。けれどもいつもの寝床、いつもの部屋。昨夜寝る前と何一つ変わった様子はない。そしていつもの時間が始まった。はじめはそう思っていたのだが。その朝を境に一日の時間が次第に短くなって、そして慌しくなっていくような感じがする。『星の王子さま』の点灯夫のように。

posted by はまべせいや at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 黒の部屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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