2006年01月30日

冬の星(ふゆのほし)

三年生の二学期までは、
授業だけでも真面目に受けて、あとはいける高校にいければ良いや
そんなことを思っていた。
それでも冬休みが終わって周囲の受験の雰囲気が強くなってくると、
私もそんな雰囲気に流されて、少し勉強しないといけないかな
なんて気分になってきた。
受験までに何とか全部できそうな問題集を買ってきて机に向かった。
それまで家で机に向かう習慣はほとんど無かったが
案外集中して問題集を解いていたと思う。

問題集を解くのに疲れてくると、私は小型の双眼鏡をもって屋根に上った。
冬の冷たく澄んだ夜空にぎらぎらとまばゆい星々が輝いている。
あれがオリオン座。冬の大三角形があって。ここがおうし座。
星座をたどったあとは、双眼鏡ですばるやオリオンの大星雲を楽しむ。
こうして気分転換をした後、再び机に向かう。

オリオン座の足元に当たる部分に端を発し、
西へ東へとうねりながら南に流れているのはエリダヌス座。
私はその星座の流れを追ったことはないのだが、こんな話は読んだ。
少年ファエトンは、離れて暮らしてはいるものの火の神ヘリオスの息子。
はるばる父をたずねていくと、父が何でも望みをかなえると言った。
ファエトンは渋る父に何でも望みをかなえると言ったのだからと、
父の引く太陽の車を自分が引くことを了承させてしまう。
四頭の天馬が引くその車をファエトンが走らせると、
その天馬が勝手気ままに走り出した。
手綱を取り落としてしまい、天変地異まで起こしてしまった。
大神ゼウスもこれはと思い雷電の矢を投げつけて、
馬車もろともファエトンはエリダヌス河に落ちていった。
エリダヌス河はファエトンをやさしく受け止めて冷やしたが、
ファエトンが息を吹き返すことはなかった。

たとえ神の子であっても神と人とは絶対的に違うのだ。
分をわきまえよというところか?
自分のできることを知り、それをやり遂げること。
自分の受け入れられるものを知り、その範囲で満足すること。
簡単なようでいて案外難しい。

他人がいとも当たり前のことのようにやっているのを見て、
あれなら自分もできるんじゃないかと思う。
自分も他人の真似をしてみるのだけれど、なかなかうまくことが運ばない。
それもそのはず相手はその時点での結果だけを見せているのだから。
結果として他者に見える前には、他者が見過ごしていた経過があるはずである。
また、もって生まれた能力にも違いがある。
他人の結果だけを気にしていては自分自身では何もできない。
自分自身を見つめる中でその能力を見極めて、
そこで自分が乗り越えるべき適正な目標を定める。
そうしたところから自分自身の結果が現れてくるものだと思う。

実は私はそうして積み上げていけば、
いずれは太陽の車さえも引けるようになる日がくると信じている。

大学受験のときはさすがにいくらか欲が出てきた。
二年生くらいから本格的に受験を意識しだした。
他人がどんな勉強方なのかを見聞きして、あれもこれもやってみた。
しかしうまく勉強がはかどらなかった。
そしていよいよという三年生の秋くらいから、やっと高校受験のときを思い出した。
できることに絞り込んでから、勉強が手に付きだした。
もちろんそのときも、気分転換は秋から冬にかけての星々だった。
posted by はまべせいや at 17:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 季語に思う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「女は勉強とかせんでいい!」
と、時代錯誤なことを言われて 中3の頃も
9時に電気を消されていたうさこです。こんばんは^。^

とは言っても みんなが寝静まったあとに
こっそり起きて 勉強しましたけどね。
でないと 入りたい高校には 行けないですからね;

簡単で難しい、のところ
『その範囲で満足すること。』
若いころは それが特に難しかったです。

大学へ行って勉強してみたかったけど
それも出来なかったので
平凡でしかない 自分の可能性ってやつ
本当は もっと伸ばせたんじゃないかという
妙な錯覚を抱いてしまっていて(笑)
生き生きと自分のやりたい事、こなせてる人が
とても羨ましくて 仕方なかったです。

だから・・がんばるんなら ”今”なんだよ。
と、 お嬢にも しみじみ言うてしまいます(笑)

そういえば 子供の頃、北斗七星もオリオン座も
ハッキリ見えていたのに
今、住んでいるところでは ろくに星も見えません
せいやさんのところ、見えますか?


Posted by うさこ at 2006年01月31日 23:31
中学から大学に至るまで
女子生徒や女子学生は男子生徒や男子学生よりもしっかりしているように見えたなあ。
一体いくつになったら追いつくのだろう?
まあ少年の私には分からないか。

勉強はどこででもできる。
可能性はどこででも磨きを掛けることはできる。
でも明確な志をもって
よき師やよき同士とともに学び切磋琢磨すれば
可能性に磨きを掛ける早道で。
それを断念したうさこさんは
悔しい思いをして少し遠回りしたんですね。
けど今”絵”を通して徐々に実現していますよね?

自分の次の世代の人たちには、
もっと学ぶという喜びを知ってもらいたい。
学ぶことの喜びを知ったときには
学校も先生も級友も過去のものになっているということを知ってもらいたい。
親っていうのは常に自分の子にそんなことを思ってきたんだろうな。

うさこさんのところは金星とか木星とかがはっきりと見えるんですよね?
それくらいの空なら恐らくオリオン座や冬の大三角形は
(ベテルギュース:オリオン座、シリウス:大いぬ座、プロキオン:子いぬ座)
注意深く空を見れば発見できると思います。

中高生だった私が実際にエリダヌス座を見なかったのは、
暗い星が多い上にそちらの空が明るすぎたためでした。
現在の私の周りでは、ちょっと空を見上げて北斗七星を確認できます。
なので二等星程度は見えることになります。
多分がんばれば三等星から四等星も見つけられるかも知れません。

Posted by せいや at 2006年02月01日 05:19
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