2010年08月29日

滑走路

赤トンボは群れになっていてもぶつかることはなく、気持ちよさそうに飛んでいる。あたかもそれぞれの極楽を謳歌しているかのように。
居酒屋のカウンター席に座る。ママのお酌に始まり、天気の話、近況報告。次第にカウンターが埋まってきて、つまみも出てきて、お通しもあらかたなくなり。さて二、三杯目あたりになると、あいつどうしたから、ニュースの話題、趣味の話題など、ママやバイトの子なども混ざって、カウンターに話の花が咲く。杯を重ねるうちにカラオケが始まり、艶話なども出てきたりして、居酒屋の夜は更けてゆく。
そのじいさんは、いつも自分のボトルを見つめてひっそりとほほ笑んでいる。あたかも極楽を謳歌しているかのように。ぼくはその笑顔を見るのが好きだ。ほかのお客さんに話しかけられた時の笑顔がまたいい。ぼくはそのじいさんとまともに話したことはないが、そのじいさんの横で飲んでいると羽が生えた気分になる。
さて、居酒屋の風景から無駄なものをそぎ落としてゆく。最後に残るのは、なに。

posted by はまべせいや at 03:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 黒の部屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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